一般社団法人 地盤総合管理センター
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第1回 擁壁について
第2回 地盤調査について
第3回 盛土の効果とその影響を考える
第4回 地盤の基礎知識
第5回 近日公開予定

注意事項
地盤シグナルの内容は、地盤総合管理センターが調査した内容を元に編集されています。記述される内容は、地盤総合管理センターの主観であり、特定の敷地や地盤状況を示す物ではありません。また如何なる、設計又は考察の判定に対する影響を考慮した物ではありません。
本文の内容の引用は堅くお断りいたします。
第2回  地盤調査について


【目次】  項目をクリックすると該当部をご覧いただけます。


  1. 地盤調査に関係する諸事情とは
  2. 住宅品質確保促進法とは
  3. 瑕疵担保責任10年間の対象となる部分
  4. 地盤は建物の主要な部分に含まれない?
  5. 地盤は基礎(主要な部分)の一部と考えるのが適切です
  6. 地盤調査とその必要性について
  7. 隣接する敷地の地盤調査データを信用して基礎設計を行う事自体が既に、建物の安全を確保しなければ成らない義務を逸脱している行為といえます
  8. 地盤調査は建物の概要変更を決定する為の物では無く 既に確定している建物の安全を確保する為に必要とされる地盤の能力を検証する事が主な目的です
  9. 調査の基準は建物の安全の確保する為に 必要な事を考え有効な調査データが確保される調査方法の選択や考察の有効性の検証が必要です
  10. 地盤調査を構成する2つの要因
  11. 地盤調査の品質はどうあるべきか?
  12. 地盤調査会社が行った地盤調査結果は、建物の設計を管理する設計者が確認する必要があります
  1. 地盤調査に関係する諸事情とは


    そもそも地盤調査自体本当に必要なのか?
    地盤調査を行うのには、厳格な規定があるのか?
    地盤調査を行わないと建物を建てる事は出来ないのか?
    など、地盤調査の制度や調査方法を解説する前に理解しておくと
    今後の地盤調査の内容や、地盤改良工事の内容
    そして、地盤総合管理システムの業務内容を明確に理解する事ができる
    知っておくと便利な項目があります。

    今回のテーマは 地盤調査の諸事情 について関係する項目を取り上げます。






  2. 住宅品質確保促進法とは


    住宅品質確保促進法 (以後 品確法 と表記します)は、2000年4月1日より
    施行された法律です。
    これは、建物に関係する <3つの制度>からなりたっています。
    内容は
    1. 住宅性能表示制度 
      住宅の有して居る性能を明確に区別して表記し、第三者がその性能を評価する事で 住宅を所有する場合に容易に比較検討ができるように配慮した制度です。
    2. 瑕疵担保期間の10年の義務化
      新築住宅の建築に関係する工事請負人や販売する売主側は 新築住宅の 構造耐力上主要な部分等に発生した瑕疵を 10年間は 瑕疵に対して保証する義務を負う事になりました。
      品確法では、施工者側の施工責任の期間を明確にし品確法で定められた内容に応じ、購入者が保証を請求する事が可能となりました。

    3. 住宅に関係した紛争を専門に扱う紛争処理機関の設立
      住宅に関係した<紛争>に関して住宅に関係した専門の機関を創設し紛争の解決を、安価で早急に行う制度です。
      これらの制度は建物の性能を明確に表し、建築する側の瑕疵の言い逃れを無くし紛争における<個人対会社>の構図から発生する<個人>の不利益を無くし公正な裁定を受ける事が出来るように配慮されています。






  3. 瑕疵担保責任10年間の対象となる部分


    瑕疵担保保証の対象となる部分は建物の主要な部分は、主に基本構造に関わる箇所になります。
    <※ 基礎 壁 柱 土台 床 屋根 等になります。>
    地盤は含まれていません。( 明確な 表記は ありません ) 
    建物の主要な部分、
    目的を持ち、<定められた性能を必要とされる>部分は決められた設計に従い施工し完成すれば、予定された性能を有する事になります。
    設計や施工に、瑕疵が無ければ問題はありませんが万が一、完成した施工物に<重大な瑕疵>があれば責任が追及される事となります。

    施工された施工物には、他の施工物と比較して同様な性能があるのか誰が見ても確認でき、尚且つその性能自体が他の建物と比較してどの程度の内容で有るのかを表記する事が住宅性能表示に繋がります。
    施工物の必要とされる性能が確認できる事により、施工自体の有効性や部材、施工方法等の正当性が検証できる事となります。
    必要とされる性能は、決められた期間は問題なく使用できる事が前提となります






  4. 地盤は建物の主要な部分に含まれない?


    地盤は、瑕疵担保保証の主要な部分には表記されていません。 
    しかし、地盤に関係無い建物 ましてや一般の住宅で基礎の下に地盤が無い場合は殆どありません。
    地盤は地球の一部であり、地震や液状化などの自然の力を受ける可能性を否定する事はできません。
    また、地盤にも性能があり必要とされる性能が確保されなければ安定した建物の状態が保たれない事は明白です。
    地盤の性能は地盤調査を行い、その解析が無ければ確定しません。
    設計された工作物のように、決められた性能を確保している訳ではありません。 
    例えるなら、求められる性能の為に 国の決めた検査を受けた製品のように  硬さ、ねじれ、腐食等の品質があり 使用用途に応じた<適材>が存在します。 
    この<適材>を無視した施工が行われば施工した者の瑕疵は明確です。 
    知らなかった、いつもと同じ物を使用した等で、責任を回避する事は困難だといえます。
    つまり、基礎は地盤が無ければ成り立たない物であり その為には地盤の性能が確認される事が絶対必要だと言えます。
    そして地盤の性能が、建物が不同沈下を含む危険な状態に成らないように基礎の一部として考慮した設計を行う事が、必要不可欠と成ります。






  5. 地盤は基礎(主要な部分)の一部と考えるのが適切です


    建物の主要な部分である基礎は、様々な種類がありその形状も様々です。
    これは、地盤の状況を判断して設計されるからです。
    勿論不同沈下を起こす可能性がある地盤に適合した<基礎>は、ありません。
    不同沈下しても問題の起こらない基礎は基本的に存在しません。
    不同沈下は建物の主要な部分の性能を根底から破壊する現象です。
    如何なる建物も、不同沈下した状態での性能を有してはいません。
    即ち、建物は不同沈下しては性能を維持出来ないのです。
    建物を建てるのであれば、<不同沈下しない>基礎を設計する事は当然であり、その為に地盤の性能を確認し、必要な基礎を施工する事が必要です。 
    地盤の性能を確認しないという事は、<不同沈下の危険性は地盤調査を行わないと確認する事が出来ない>という事を 理解した上で行った、基礎設計の<瑕疵>と言えるのでは無いでしょうか。






  6. 地盤調査とその必要性について


    自然のままの状態の敷地や、耕作地や植林等に使用された敷地も数年間放置されれば、耕作地や植林された敷地であった事を想像する事は困難な状況になります。
    これらの状態は、人が家を建てる事を前提とした整地造成が行われなかった為に見られる現象です。
    現在は、人工の集中化や整地造成技術の進歩により敷地を使用する利便性の向上の為に、人々が生活する事に適した環境を作り出す事に重きを置いています。
    道路や上下水道等の公共設備を中心とした区画整理地業が行われますが、過去の敷地状態が考慮される事は殆どありません。 
    完成した敷地は人々が住みやすい状況となります。それは敷地の販売に関係した要因も含め、あらゆる側面から生活する為の利便性が高く 付加価値の高い整地造成が行われます。
    この状況から、図@の状態を想像することは困難ですし、基本的に、整地造成以前の敷地の付加価値を下げる要因は表だって示されることが少ないと言えます。
    さらに近年では、大規模な整地造成が多く 河川の移転や山地の切り崩し、谷地の埋戻し等の造成も大規模で一般に想像される様な 宅地造成のイメージとは大きく異なります。
    整地造成が完了し、敷地毎に地盤調査が行われその調査結果に基づき、建物が建築されていきます。その過程で、整地造成が完成した状況から推測しなければ建物の不同沈下の要因を見過ごす事があります。
    図2で説明した様に、生活環境や敷地の付加価値の為に整地造成が行われるのであり河川を避けたり、谷地を避けたり、山地の傾斜を生かした整地造成が行われる事は殆どありません。
    つまり敷地ごとに、過去の地盤の状況は大きく異なると言うことになります。 
    図2の状態が基本となり、「隣も周辺も問題ないから、自分も大丈夫。」と判断してしまいがちですが、図@の本来の敷地の状況を知る術を持つのは、現地の過去の地盤状況を知る事ができる環境にある近隣の住民や、観測経験のある人に限定されます。
    それ以外の場合は、確認する事が出来ない事実が存在する事を重視し、地盤形成や地盤利用状況の視点からも図Aの様な地盤状態の敷地がこの場所に造成を行わずに存在する可能性が希少である事に注視し、周辺の調査結果が、該当する敷地と異なる可能性も有ることを理解する事が必要です。該当する敷地の地盤調査データの正確な解析があって初めて成立する地盤への解釈は現実に目視した敷地の状況や、隣地の地盤調査データにより黙殺されてしまう事が有ります。
    河川の埋戻しや大きな木の堀根等は、図Aからは想像する事は困難です。
    しかし実際に不同沈下が発生した場合に、過去の地盤状況や造成の経過や現状の敷地状況などを考慮していた場合は、不同沈下を防ぐ事は困難だったと言えるのでしょうか?不同沈下を起こした敷地で、地盤調査を行っており隣接する敷地との調査内容の格差が確認されていて、不同沈下の可能性が検知される地盤調査結果が確認されていたら?この場合、地盤調査の際に何らかの理由より間違ったデータが記録されたのでなければ、隣地とは異なる地盤の堆積状態にあるとデータにより表されます。
    建物の安全を確保する為に、それを元に再調査を行うか有効な地盤対策を行う事になります。
    つまり、建物の安全を考慮する為には有効な判断材料と成り得る地盤調査が必要でありどんな状況下でも、地盤調査を行わないという事は、不明瞭な危険性を放置する事となります。長期間の建物の安全を確保する為には、地盤に対する明確な根拠が必要とされます。その根拠となりえるのは有効性のある地盤調査だと言えるのでは無いでしょうか? 






  7. 隣接する敷地の地盤調査データを信用して基礎設計を行う事自体が既に、
    建物の安全を確保しなければ成らない義務を逸脱している行為といえます



    「隣は問題無い地盤だから」「今まで建っていた家は問題なかった」それは地盤の性能を示す内容ではありません。 
    敷地によって地盤補強工事が必要となる場合と、必要にならない場合が発生します。
    これまでも地盤調査の必要性は説明してきましたが、これを正しく判断するためには必要とされる地盤の性能が確認される事が絶対の条件となります。
    地盤の性能は、地盤状況に適応した調査方法の選択も含め建物の規模によっても調査方法は選定する必要があります。
    結果として、複数の調査が必要な場合もあります。
    地盤調査を行う事を省略する事に 特別な意味合いが有るとは思えませんし、地盤の安全に対する如何なる優位性も見いだせません。
    地盤調査を行わないで、過去の事実から 「今まで建っていた家が問題無かったから、今度の家も大丈夫」ではなく、これら建てられる家の安全の為に、大丈夫かどうかを確認する為に地盤調査が必要なのです。
    現状地盤の性能は、現状地盤に対して適切な調査を行う事でしか確認できないのです。






  8. 地盤調査は 建物の概要変更を決定する為の物では無く 既に確定している建物の
    安全を確保する為に必要とされる 地盤の能力を検証する事が主な目的です



    地盤調査の結果から、地盤対策は二種類に分かれます。 
    一つは「地盤補強が必要な場合」と、もう一つは「地盤補強が不要な場合」です。
    地盤調査により建物の構造的な内容を変更する事が選択される事は希少です。
    その為既に確定した建物に対して、必要とされる地盤の能力を確認する事を調査の主題
    としています。
    地盤の能力が<計画された建物が安全に維持する事が可能>か、検証を行いその結果として、<建物の安全を確保する>
    その為には 地盤補強の必要性が認知される事が必要です。 
    しかし、地盤補強にはそれを行う為の様々な負担も現実として発生します。
    地盤補強工事は、その必要とされる内容により施工方法も費用も様々です。 
    また現実的に、費用や施工機材の関係で施工が困難な場合もあります。 
    地盤補強に必要とされる費用は、施工する工法・使用する機材や材料により高額な内容となる場合が少なく無いのも事実です。
    では、地盤補強工事を行わないで安全に建物を建てる方法は無いのでしょうか?
    幾つか考えられる方法としては地盤調査の結果から、地盤補強工事の必要無い地盤の状態を有する敷地を見つけその土地で 建物を建てる事も方法の一つです。
    または先に述べた様に、地盤状況に適合した建物を設計する事も方法の一つです。
    簡略に説明するなら、地盤調査の結果により建築する敷地を変更するか地盤調査で確認された地盤状態に適合した建物を設計すれば可能となります。
    しかしこれらの方法は、自分の建てたい場所に住みたい家を建築する事を理想とするならば、全く相反する内容であり現実の生活に対して利便性の悪い内容と言えます。






  9. 調査の基準は建物の安全の確保する為に必要な事を考え有効な調査データが確保される
    調査方法の選択や考察の有効性の検証が必要です



    地盤調査の方法は複数有り 地盤調査の解析にも 様々な考察がありますが基本となる考え方は建物の安全を確保する事です。
    既に建築が予定されている敷地に置ける 地盤調査や その解析結果から 提案された
    如何なる内容も 基本にあるのは 建築される建物の安全です。即ち
    地盤調査や地盤補強とは、<安全>を基準とした考え方です。
    <安全>以外の内容を主題とした、特に<利益追求>のみを主題とした
    地盤調査や地盤補強は<安全>の為とは言えません。
    建物の安全を確保する為に 地盤の状況を調査し 今後予測される地盤に変化を 様々な
    要因から推測し その総合的な考察により 安全を確保する為の 必要とされる概要を
    現実的な提案として表明する事が理想とされます。






  10. 地盤調査を構成する2つの要因


    地盤調査は、実際の地盤の強さ<地耐力>と地盤の成り立ちである<構造>の2種類の調査から成り立っています。 
    地盤調査は 実際に調査した結果 地盤の地耐力と地盤の形成された状況や成り立ちを理解する事にあります。 
    <地耐力>は、最近の地盤調査では自動で計測される場合が多く機械的な進歩は認められます。
    しかし、機械による計測にも問題点はあり全てが完全ではありません。
    あくまで、人が人力で行う場合と比較して 人その物の持つ経験値や体力等に影響を受けないで計測出来ると言う程度です。
    何より機械での計測された数値が有効であるか否かの判断は、<調査員>つまり、人の判断に委ねられています。
    調査員は周辺状況や土質・含有水・貫入抵抗や衝撃を含め、全ての要因を考慮し、総合的に判断する事が必要になります。
    地盤調査に、調査員の判断が必要でない項目は無いと言えます。
    地盤調査の自動化は、調査員の負担を軽減し周辺観察等に注視できる環境を
    整える事が主題と言えます。
    地盤調査を機械の測定に依存する事には限界があり、調査員の<能力>が必要と
    されることは、今後も変わらないと思われます。






  11. 地盤調査の品質はどうあるべきか?


    地盤調査員が、地盤に本来関係のない<利益追求>等を考慮する必要は無いと考えます。 
    地盤の状況を正確に判断する為には、むしろ悪影響を排除し地盤調査員や地盤調査その物の<品質と品格>を確保する事が重要であり、必要と言えます。
    またそれは、絶えず技術・能力の発展の為の努力を行いより良い制度を確立する事が不可欠です。
    なによりも、現実の地盤状況に最大限適用性の有ることが望まれます。 
    現実の住宅事情に適合性の無い制度や試験方法では、調査依頼者の負担増加だけを招き制度の確立は困難であると言えます。
    どんなに立派で正確な試験方法であっても、高額な費用を要し調査時間も長期に及び、調査会社が高額の調査機械を購入する必要があり 調査には独占的な使用料金が必要となれば、その全ての負担を 建物を建築する人に負担させる事となる事が安易に想像されます。

    「地盤調査をしたけれど、高額な費用を請求された上、長期間の試験時間が必要で、
    やっと出てきた報告書は専門的すぎて、自分の土地について何が報告されているか
    さっぱり理解できないのに、安全の為だとやたら地盤補強工事を強要された。」

    等、事実とは異なる評価により、本来の有効性が見失われる事に繋がる可能性が懸念されます。






  12. 地盤調査会社が行った地盤調査結果は、建物の設計を管理する設計者が確認する必要が
    あります



    地盤調査は、細かい調査を積み重ね 幾つもの要因を考慮した結果であり建物の安全に対して、考えられる最善の策を建物の設計者に提案するべきであり基礎構造設計を代替えしている訳ではありません。
    先に触れた<地盤は基礎の一部>の考え方にも一致していますが、建物の基礎の設計に対する責任を持つべき立場の<設計者>は地盤調査の結果を理解し、必要とされる地盤対策や基礎構造設計を行う事が必要だと考えます。

    地盤調査の結果は、敷地の状況により有効な場合と有効とならない場合もあり、最終的な判断は、建物の設計者が行う事が必要とされます。
    建物の設計者も地盤調査の内容を精査する事が必要です。 地盤調査の内容が、必ずしも設計者が考える地盤状況と一致しない場合は危険要因の影響を排除する地盤補強や、基礎構造設計が必要になります。

    地盤調査結果に関わらず、実際に建築される建物に対しての地盤調査の有効性を考慮しない限りは、建物の長期安全を確保する事は困難です。
    調査結果が示す建物に対する有効性を考慮する事が、正しい地盤調査結果の利用法だと言え、そこから導き出される地盤対策も信憑性のある内容と言えます。



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