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実務紹介
地盤調査について
ここでは地盤調査主にスウェ−デン式サウンディング試験(以後SS試験)につて簡単に説明いたします。

SS試験は静的貫入試験の1種でありJISA1221SS試験方法に規定されています。調査の内容はスクリューポイント※2をロットの先端に付け、おもりによる荷重段階0.05KNから順に0.25KN0.50KN0.75KN1.0KNを載荷します。それぞれの荷重段階での貫入量を測定します。おもりが1.0KNになり貫入しない状態になったら回転を加えます。この時25cm貫入させるのに必要とされた回転数を測定します。

おもりの荷重をWswとし貫入に必要とされる回転数を半回転数に換算し1.0m貫入するのに必要な半回転数をNswとして記録します。

回転を与えない状態での貫入状態を自沈と表記する事が一般的です。

自沈の様子や回転貫入に伴う様子等も表記する事が一般的です。 調査行う機材は現在では自動式※1の物が多く開発され広く使用されています。自動式は荷重や回転それに伴う貫入量等を自動で計測し記録する事ができる為、調査員による感覚からくる誤差の解消に有効だといえます。

手動式※3及び半自動式はこれらの作業を人力にて行い調査員の目視を主体とした計測により調査記録を作成する事となります。
SS試験は主に小規模建築物の地盤調査に用いられ、基礎の設計に必要な資料確認する事に使用されています。小規模建築物とは、・地上3階以下・建物高さ13m以下・軒高9m以下・延べ面積500・以下の条件を満たす比較的小規模な建物とされます。これに適さない建物や構造物には必要とされる別の地盤調査方法が必要です。
SS試験における留意点
  1. 自沈荷重Wswの信頼性
    Wswは荷重を段階的に増大させた場合に貫入する状態の荷重に相当する事になっています。回転層にあっても自沈層に差し掛かると、急激な自沈を起す事になります。自沈層が連続する場合でも、自沈層の初期段階と最終段階では、自沈速度に大きな格差が発生する事があり、25cm刻みでの自沈荷重の測定には、注意が必要だといえます。自動により測定データの計測ができる調査機等では、細かい計測を行える装置が付いた調査機械があります。

  2. スクリューポイントの摩耗
    スクリューポイントは調査のたび必ず磨耗しエッジの部分が丸みをおびた形状に変化します。現在までの累積データからスクリューポイントが3mm以上磨耗すると、データに及ぼす影響はより顕著と成ります。 歪みや片減りのような変形についてもデータに影響をおよぼす事が確認されています。スクリューポイントは、計測用ゲージを使用し管理を行う事が必要です。

  3. 操作方法による違い
    SS試験は先に述べたように、手動式・半自動式・自動式では、調査に使用する機材に違いがあります。いずれもそれぞれの特徴と欠点があります。自動式においては機械製造メーカーによる操作方法にも差があります。現場で使用する調査機材の内容や特徴をよく理解し、正確なデータを採取する事が必要です。

  4. 測定深度や地中障害
    SS試験においての調査深度は、概ね10m程度を設定する場合が多い。これは主に貫入ロットの周面摩擦が半回転数に誤差を与える可能性が高いからであり、地中障害を貫通した場合や、自沈層の測定孔が徐々に閉じてくる場合も同様に測定データの与える影響が軽視できない状況と成る可能性があるからであり、状況にもよるが、補正係数を用いるか過大な数値に対して上限を設定する事を検討する事が必要です。

  5. Nswの限界値換算N値とN値の違い
    SS試験と標準貫入試験との比較で一番の違いは、貫入力や貫入方法でありSS試験では一般的には、Nswが100を超える場合は空転が起きている可能性があり、N値の対応関係が異なる事が言われています。
    SS試験における換算N値については、上記要因からもNsw150程度を上限としてそれ以上は、信頼性において注意する事が必要です。

  6. 地盤格差土質格差によるNswの変化
    上部が比較的軟弱でその直後の下部地盤が抵抗の大きい地盤においては、スクリューポイント充分な推進力が伝わらず空回りしやすく、これにより実際の地盤が有する データが正確に反映されない傾向があり、上部の抵抗が大きく下部が比較的軟弱な場合でも同様に空回りから正確なデータが反映されない場合がある為、実際の現場では計測時に兆候を感知しデータの信頼性を確認する事が必要です。

  7. 土質サンプリング能力含水比の確認方法
    SS試験には土質サンプリングと含水比の正確なデータは求めら得ない。しかし地盤調査の観点からすれば、これらの調査データは地盤の状態を掌握するにはある程度必要だと思われます。その為、SS試験以外に併用する形でこれらの試験を行う事が望ましいと言えます。
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